頭の中の音楽がコンクリートジャングル

好きな音楽やバンドを聞かれると1分で端的に語ることができないことに気付いたので、頭の中の音楽情報を片付けたりするブログです。

The Mummies の Death By Unga Bunga!!

どうも、サイダーです。今回は90年代ガレージレジェンドの一つ、 The Mummies について。

 

The Mummies - Wikipedia

 

去る2023年10月、日本にもライブをしにやって来た彼ら。この時、僕は初めて彼らのライブを観ることが出来ました。全曲大盛り上がりのてんやわんや。ライブで印象に残っていることと言えば、会場にいたお兄ちゃんの1人が僕の心情をも代弁して、こう叫んでいたのです。「マミーズって本当におったんや!!」と。

 

何故、彼らの存在そのものを疑いたくなるかを真剣に考えてみるとですね、漫画か何かの存在なんじゃないか、みたいな所があるんです。どういうことかと言うと、まずは説明よりも一見にしかず、下をご覧あれ。

 

The Mummies の The Fly。キーボードはガサガサ動かし回るわ、ケンカおっぱじめるわで、てんやわんやです。

 

The Mummies 御一行。

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はい、過去の記事でも少し書いたんですが、包帯グルグル巻き。コミックか何かから飛び出してきたバンドみたいです。

The Mummies に言及した、過去の記事。

そんな見た目なので、僕も最初は色物バンドかと思っていましたが、これだけ90年代から持て囃されているのにも訳がありまして。彼らのトラッシーなガレージという音楽性もさることながら、多方面に中指を立てながら活動していたのです。例えば、、、こちらの画像をご覧下さい。

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これは、彼らがかの有名なアメリカのレーベル、Sub Pop から、シングルのオファーを貰った際に返信した手紙の内容です。

 

以下、訳文:

9月10日

Sub Popへ(注1)

お前らからの「Singles of the Month」(注2)のリリース依頼、受け取った。The Mummies は、お前らの商品や、お前らが代表している物の一切に関わりたく無い。俺達は、お前らクソッタレのヘビーメタル(おっと失礼、「パンクロック」だったな)や、12ドルのCDや15ドルのピクチャーディスク(注3)に飛び付くつもりは毛頭も無い。俺達がちょっとでもお前らに興味を持っていると思ったんなら、ヒッピーのハッパ(注4)の吸い過ぎだと言わざるを得ない。結論、貴社のご提案に感謝致します、と言いたい所だが、それは嘘になるな。

失せろ。

The Mummies

注1:通常、英語で手紙をやり取りするならば、「Dear」 を付ける所だが、この手紙にはそれが無い。例えるなら、「Sub Pop様」と言うべき所にも関わらず、敬称を付けずにわざわざ呼び捨てしているようなモノなのである。

注2:言うなれば、「今月のシングル」。Sub Pop のシングルレコードが月1で送られてくるサブスク。

注3:レコード盤の表面に、写真などが施されたレコード。

 注4:ヒッピーラブウィード、、、要するに、マリファーナである。

 

Sub Pop と言えば、当時 Nirvana を始めとした90年代をときめくバンド達が割拠していた一大レーベルです。そこからのオファーをわざわざ悪態つきながら蹴ったとの事ですので、大胆不敵にも程があります。

 

ちなみに上記手紙の写真、The Mummies のシングル版のジャケにあしらわれているのですが、そのシングル版のジャケットは、Sub Pop の「今月のシングル」を模したジャケ写となっています。さらに、このシングル版は海賊版扱いらしいですが、このようなややこしい事情があるが為に海賊版という体にしているだけで、実はオフィシャル、という噂。バンドの公式サイトに堂々とジャケが乗っていますが、海賊版Bootleg)と書いてあるのです。

 

Sub Pop のジャケを模した問題作のシングル。曲は、A面もB面も Devo のカバー。

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The Mummies の Uncontrollable Urge。上記の通り、Devo のカバーです。

 

さらに大きな特徴として、90年代当時の彼らは "Fuck CDs" と標榜しておったので、CD全盛期にも関わらず全ての音源はレコードでリリースされていました。ただ、今となっては「レコードよりCDの方が音良いからCD出すわ。だってCDはマジで聴いたこと無かったもんで!」などとのたまい、2000年代初頭からCDを売り捌いておりました。そして2020年代のナウは、サブスクでもバンバン音源が垂れ流されています。

 

公式サイトより。レコードはまるでイケてないとか、Fuck Vinyl (Vinyl=ビニール。レコードのことを英語でこう言います。発音的にはバイナルが近い。)とか言っちゃう始末。心変わりがすごい。

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そして僕はというと、初めて聴いた The Mummies の音源は CD の Death by Unga Bunga だったのです。これがのっけのインストからカッコよくて、たまらなかった。何せ本格的にガレージパンクに手を出し始めた頃だったので、その時の衝撃と言ったらまぁ。ガサガサでスカスカ、音を外しそうで案外外さない。(ガレージ系のバンドは大体下手クソと相場が決まっていますが、彼らは上手だと思います)

 

そして、そんな原体験から幾年も経った2023年。たまたまその日は The  Mummies を久々に聴いて上機嫌だったので、ふと彼らの公式サイトを覗いたら、なんか「Infirm Invasion」(微妙な侵略、みたいな意味でしょうか)と書かれた上に、日本の県名がずらっと書いてあるではありませんか。日本ツアーじゃん!狂喜乱舞。

 

日本ツアー告知当初のサイトの様子。スクショする程、嬉しかった。

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かくして、大阪に乗り込んだ僕は The Mummies のライブを日本で堪能することに成功。 カートゥーンや伝説の類ではなく、「マミーズって本当におったんや!!」と、認識するに至ったのです。

 

The Mummies の In and Out。アルバム、 Death By Unga Bunga!! より。この曲もライブでやってくれました。

 

Q: Are We Not Men

Q: Are We Not Men

  • アーティスト:Devo
  • WARNER RECORDS
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