Bob Log III の School Bus
どうも、サイダーです。今回は一人しかいないのにバンドと言い張るエロバカトラッシュブルーズアメリカン、Bob Log III について。
『III』というのは『3世』 の意でありますが、彼の父にあたるボブログ2世の意思を引き継いでやっているバンド(くどいですが一人)です。兎にも角にもまずは彼の外見から。
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ええ、何をおっしゃりたいか、僕にはよく分かります。そうです、ヘルメットです。んで、受話器がくっついてます。ちなみにヘルメットは無くさないようにしっかり名前が書いてあります。アホなんでしょうね。いや、アホです。彼のルーツにはブルースが内包されていますが、この受話器ヘルメットスタイルはブッカホワイトのアルバムジャケットからインスパイアされたものらしいです。
ヘルメットのインスパイア元と思われるアルバム。受話器以外のチョイスは考えられなかったのでしょうか。
音としては、アホみたいに6弦がダウンチューニングされたギターによってスライドギターがやたらアクティブにかき鳴らされ、シンプルなビートがそれを支えるという、分かりやすいけど独特、というスタイルになっております。
ギターもさることながら、左足でシンバル・右足でバスドラムを踏み、謎の受話器付メットによって声がこの手の音楽でよくある風のこもった感じを演出。どこまでも独特です。勿論 インタビューだろうがスタジオ録音だろうがヘルメットかぶりっぱなし。アホなので仕方がありません。
まぁとにかく見たり聴いたりしたほうが早いので、一旦 ご視聴ください。
Bob Log III の Look at That。衝撃のビジュアルとサウンド。
いつだったかある日のこと、このヘンテコヘルメットを目にしまして。一体どういうことなんだとなりまして。Youtubeで彼の演奏を聴いて耳もやられてしまい、おまけにAmazonのマーケットプレイスで1stアルバムが1円ナリ(送料別)。これは聴かねばとなったわけです。
弦が異様なまでにダウンチューニングされている為か、ギターを弾いているだけなのにベースライクなビョイ~ンなんて音まで鳴っており、なんだかトラッシュ系ガレージの向きもあり。
僕はジャンプブルースとか Hound Dog Taylor のような明るくてルンルンな感じのスライドギタープレイも好きなので、ビビッときたのです。おまけに見るからにバカ。完璧。
Hound Dog Taylor の Take Five。彼ほど楽しそうに演奏するブルースマンを他に知りません。
ヘルメットばかりをフィーチャーしてしまいましたが、このバンド(一人しかいねぇ)の特異性をさらに深掘りしてみましょう。
・Boob Scotch(おっぱいスコッチ)。
ええ、何のことだかさっぱり分からないことと思います。これは彼の好物であり、ライブ中の定番行事であり、嫌なことを忘れるのに最も効果的な飲み物とのことです。
グラスに氷を沢山入れ、12年物のスコッチを注ぎ、女性のおっぱいをぶっこみ、スコッチと氷を十分におっぱいへと浸透させる。おっぱいの熱によって氷が溶け、完璧なミックスができるそうです。ちなみにここでいうおっぱいは母乳ではなく、乳房を差します。彼の頭はバーストしているのでしょうか。ちなみに推奨されているだけで、男性も作ること自体は可能。
当然ライブにきた女性達によって Boob Scotch は しばしば作られ、彼の喉を潤します。スウェーデンのフェミニストに怒られたりとか、さんざんな目に遭っても 未だに懲りずやっているようです。
・世界初、膝に乗れるバンド。
ええ、何のことだかさっぱり分からないことと思います。読んで字のごとく、ライブ中に彼の膝の上に乗ることができます。やったね!ちなみにこれは "Slide Guitar Ride" と言うそうです。
上の方で少し書きましたが、彼の下半身は絶えずリズム隊として酷使されています。つまり、せわしなく膝が上下に動いているわけです。膝に女性が乗り、曲を演奏することによって膝が動き、膝と共に女性も揺れる。単純明快。盛り上がると思ってやってみたら膝の取り合いになってすごかった、というのがやっている理由らしいです。ちなみに女性が推奨されているだけで、男性も乗ること自体は可能。
あまりにも重すぎるレディーが乗ったが為に尻が裂けて流血したり、これまたヘビーなドイツ人男性が乗ってしまった為にタマキン型のアザが出来ても 未だに懲りずやっているようです。
ハードな Slide Guitar Ride の例。色々と危ない。
さて、ここまで読んでいかに彼がアホでイカレポンチなのかはハッキリとお分かりいただけたことでしょう。ですが、ギターの扱い全般も一言で言ってクレイジーであり、ギターテクもエグいのです。
まず、彼のギターのチューニングは普通ではありません。6弦が Low A へと落とされています。6弦以外は普通のオープンAのようですが。
ギターのチューニングに関して少し説明すると、そもそもチューニングというのはギターの音程合わせのことですが、通常 ギターの6弦は "E" という音階に合わせるのが一般的です。ちなみにドレミで言う所の "ファ" です。
ギタリストやバンドの音楽性・趣味などによってチューニングの変更は間々行われますが、彼がチューニングしている Low A というのは、こういうことになります。
通常(レギュラーチューニング)の6弦:
A(ラ)ーB(シ)ーC(ド)ーD(レ)ーE(ミ)
↑ここ
割と多用されるダウンチューニング、ドロップDの6弦:
A(ラ)ーB(シ)ーC(ド)ーD(レ)ーE(ミ)
↑ここ
イカレポンチの6弦:
A(ラ)ーB(シ)ーC(ド)ーD(レ)ーE(ミ)
↑ここ
上の表で言うと、左に行くにしたがって音階は低くなり、弦の張力は下がっていくことになりますが、Low A というのはめちゃめちゃ弦の張りが弱いのです。
普通ここまで下げ下げのチューニングにすると、弦はダルンダルンで演奏不能。しかし彼はアホなので弦がベース弦並みに太く、問題ありません。通常ギター弦で一番太い6弦は 46 のゲージを使用するのがノーマルですが、Bob Log III が使用する6弦は 驚異の 68。
46 のゲージ、というのは0.046インチの事ですが、ミリ換算で約1.17mm。同じく彼の使用している弦をミリに換算すると、68=0.068インチ=1.73mm となります。通常のおよそ1.5倍というところでしょうか。僕もギター弦はレギュラーより太めの物を張っていますが、その感覚からしても彼はキチガイにしか思えません。
Bob Log III の String on a Stick。ギターはエグいですがライブではこのPV同様パンツとブラが時折飛び交うらしいです。
なんだかギターの小難しい話になってしまいましたが、彼のプレイを見てもらえばギターテクの方も言わずもがな。どうやったらこんなにアグレッシブにスライドを使えるんでしょうか。彼の曲を聴くとスライドギターに手を出したくなります。
もう更新はされていないようですが Sony Music の公式サイトがありまして、如何にボビーがアホの申し子であるか分かる貴重なサイトとなっています。おすすめです。
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/BobLog/
Bob Log III の I Want Your Shit on My Leg。No No、ちんこ。