頭の中の音楽がコンクリートジャングル

好きな音楽やバンドを聞かれると1分で端的に語ることができないことに気付いたので、頭の中の音楽情報を片付けたりするブログです。

The Monks の Black Monk Time

The Monks - Wikipedia

 

あけまして。サイダーです。今回は The Monks です。言うなれば ザ 修道僧ズ です。

 

どれだけ前の事だったか、、、とある日、テレビCMで聞き覚えのある曲が流れてきまして。それは The Monks の Boys Are Boys And Girls Are Choice だったのですが、いやーまさかのガレージサウンドが2010年代のテレビからダダ流れってのも衝撃でしたが、それがこれまた The Monks と来たもんだ、と。

 

さらにその年、ビッグ・リボウスキなる90年代封切りの映画を見たんですが、劇中のボーリング場でも The Monks が流れてまして。なんと。

 

彼らは The Monks という名前の通り、修道僧に扮して演奏をしておりました。注目すべきは特に頭でしょう。写真を見てもらえば一目瞭然ですが、ザビエルヘヤーなのです。

 

The Monks 一同。ビバ ザビエル。初日の出の代わりにどうぞ。

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僕は最初、彼らの見た目から「おいおいイロモノかよ」と敬遠していましたが、聴いてみるとこれがびっくり。包帯グルグルのマミーズ然り、聴いてみなきゃ分からんバンドは多いもんです。食わず嫌いというか、聴かず嫌いは損 ということかもしれません。

まずは一旦聴いていただきたいのですが、とりあえず例のCMで使われた曲を。

 

The Monks の Boys are Boys and Girls are Choice。1966年のライブ風景。

 

ザビエル頭。SGベース。狂ったようにかき鳴らされるエレクトリックバンジョー、弾きまくりオルガンソロ。うーん、この溢れんばかりの魅力。

 

The Monks の面々は西ドイツの駐留米兵だったのですが1963年の終わりごろにドイツでバンド結成。活動中はいくつかのシングルと1枚のアルバムをリリース。ちなみに今回ブログタイトルにしたアルバムは1966年にリリース。1967年に解散するも、1999年以降何度か再結成。

 

ガレージバンドにはありがちですが、フルレングスのアルバムは1枚のみのリリース。が、2017年 某日には未発表曲含む色々を詰め込んだ音源もリリースされており、レジェンドっぷりが伺えます。ちなみにその音源は Jack White の立ち上げたレーベル Third Man Records からのリリースなのですが、このレーベルの仕事っぷりときたら素晴らしいもんですね。たまたま激安で投げ売られていたのでポチってしまいました。

 

The Monks の I'm Watching You。いいリフ。

 

 

彼らが活動していた当時、ちょうどアルバムをリリースする前辺りはビートルズがポップなR&Bで愛を叫ぶ時代でした。サイケデリックな世の曙という感じで、まだまだロックと言っても表現が今と比べれば狭いフォーマットだった時代。

 

そんな中、The Monks が志向したのは負の感情をブジュブジュとぶちまけるフリーキーなR&B。どの辺に負の感情がぶちまけられているかと言うと、曲名から既にその片鱗は漂っています。やれ ”黙れ” だの、 ”お前が嫌い” だの。無論、歌詞もそんな調子。今ではそんな曲名や歌詞を見ても割と普通な感じがしますが、当時パーソナルなネガティブ感情を演奏で吐き出すのは割と珍しかったようで。

 

曲名とか歌詞がそれぐらいならまだしも、彼らはわざわざ聖職者をパロった上でいらん事をやってしまっているので、さらに危険度倍増。純粋培養のジャパニーズである我々には計り知れない程の宗教的な根深さってものが欧米諸国には有り、一概には言いづらいところなのは承知ですが、修道僧というのは我々が考えるよりも神聖な存在である訳なんです。

 

例えば Fuck Jesus なんて事を言ってしまえば、敬虔なクリスチャンは耳を押さえ叫ばずにいられない、そんなレベルの危険性を秘めているのです。割と冗談抜きで。

 

このデンジャー度の加減をお伝えするには、お坊さんがクタバレとかシネとか喚き散らすのを想像して頂ければそれなりに伝わることと思いますが、日本の坊主は良くも悪くも俗ボケしており、つまる所 その数倍、或いは数十倍の濃度を持った危険性を秘めている訳なんです。

 

おかげで彼らの母国アメリカのレーベルから出す予定だったアルバムは、上記に書いた危険性を考慮されての事か あえなくドイツでのリリースとなり、90年代になるまで日の目を浴びることはなかったのです。恐ろしや。

 

ゴミ出しの為とはいえ貴重な連休中に早起きしてしまい、禿げ頭が初日の出っぽいという理由だけで The Monks の記事をキーボードで打っていたら、Fuck Jesus と叫ぶアニメを Youtube で見ることになってしまいました。今年もいい年になりそうです。

 

The Monks の Shut Up。黙れ!泣くな!

 

おまけ:映画 ビッグ・リボウスキより、ボウリング場で「線踏んだぞー!」と喚きながら銃を突きつける危険なベトナム帰りのおっさんのシーン。BGMは The Monks。