The Gories の I Know You Fine, But How You Doin'
どうも、サイダーです。今回は The Gories の セカンドアルバムについて。
The Gories の Ghost Rider。Suicideのカバーです。ダンサブル。
The Gories - Wikipedia, the free encyclopedia
早速ではありますが、まずは彼ら The Gories の実態に迫っていきたいと思います。
The Gories 近影。おお、我らがミックコリンズ先生は The Oblivians のTシャツを着ていますね。
・3ピースバンド。
・アメリカはデトロイトの出身。
・ベースレスでギターが2人。
・ボーカルはギターの2人が曲ごとにメインボーカルかコーラスを担当。
・フロントマンのギターボーカルは黒人。
・フロントマンは元々ドラム。
・現役時代、しばしばスーツにコンバースという出で立ちだったフロントマン。
・フロントマンは自分達のジャンルとして「Nerd Rock」(オタロック)を自称。
・白人の方のギターボーカルはなんかギターの音がヘロヘロ。
・白人ギターボーカル、致命的なことにボーカルの癖に声がヘロヘロ。
・ドラムのリズムは「ドッタ、ドッタ」か「ドッタタドッタ」が9割を占める。
・ドラムはバスドラムを踏まない。というかスネアとフロアしか叩かない。
・そしてガムを クッチャラ クッチャラ 噛みながらドラムを叩く。
・全員楽器初心者同然でヘタクソ。
さて、こんなところなのですが、非常に魅力沢山ですね。決してけなしている訳ではありません。本当です。 何てったってみんな大好きゴリーズです。僕の好きなバンドもラブコールしまくり。Mudhoney、The White Stripes などなど。The White Stripes のドラマーであるメグ姉ちゃんも、The Gories のドラマーであるペグ姉ちゃんから影響されて名前を決めたんじゃないかと思っとります。メグ姉ちゃんよりもペグ姉ちゃんはもっとシンプルなドラムですが。しかしThe White Stripes よりもシンプルなドラムとか言ってしまったら何が残るんだという感じですが。バンドでカバーをやろうとすると、ドラムがアレンジ満載に自ずと変貌して何か変な感じになるか、そもそもドラマーの兄ちゃんに苦笑しながら「やりたくない」と言われるかどちらかでした。
音は ガチャガチャ ドンドコ ワーオ を基調とし、カバー ガンガンのガラージ一直線でありながら、ダンサブルチックであるのが特徴であります。首謀者のミックコリンズも「オーディエンスをいかに踊らせるか」というのを常に意識しているそうで。ヘッタクソな演奏でも、最低限のビートが途切れずに流れているのならば踊れるのであります。流石 モータウン生まれの血がなせる業、ということなのでしょう。
The Gories の Land of Thousand Dances。ナ~ナナナナ~で有名なWilson Pickettの超有名曲カバーです。
さて、彼らもアメリカ屈指のモータータウンであったデトロイト出身ですが、何故こうにもデトロイトという地は最高なバンドばかりなのでありましょうか。The White Stripes、MC5、The Stooges、The Detroit Cobras、、、デトロイトで大勢のバンド野郎が群居した理由としては、他にやることがなかったからという理由で自動車工場の労働から生まれる陰惨な感情を、バンドでドンチャカやることで発散していたとのことで、何ともブルーズ然とした成り立ち。
かくいう私も、デトロイト市の姉妹都市である某市の隣町で生まれ、某市に飲み込まれ…もとい 田舎すぎて吸収合併されつつ 長い間住み、引っ越した今でも某市の主要産業に関わりながら某市で働く身として、非常に、非常に強い親近感を覚えています。しかし某市は全然ダメです、お兄ちゃん達はパチンコばっかりやっています。そのエネルギーをギターとかドラムとかにぶつけてくれれば、ライブハウスが山ほどできたり、The Gories みたいなバンドが誕生するはずなのですが。
The Stooges の Down on the Street。コーラスに入った瞬間血が沸騰します。No Waaaalls!
そして なぜ、セカンドか。なぜ、セカンドアルバムを選んだのか。今回選んだアルバムの話に戻ります。まず、頭っから Hey Hey We're The Gories という脳天気かつドンタンアーォなバンドのテーマソングから始まる所。次に、冒頭に紹介した Ghost Rider もそうですが、ダンサブルかつ荒々しいまでのズンドコギャーオによって、カバー曲の魅力が増幅されている所。Goin' to the River は最高のカバーです。そしてさらにオリジナル曲もいいときたもんですよ、お姉さん。Stranded とか、クールとホットとドンタタドッタホーゥの素晴らしい同居が実現されとるのです。
The Gories の Goin' to the River。Bill & Will というバンドのカバーですが、有名ガレージコンピの Pebbles Vol.6 に入っている曲がオリジナルですね。
The Gories の Stranded。ビートにビールに身を任せて頭と腰を振れば、新しい世界が見える。
今ではファーストアルバムとセカンドアルバムが抱き合わせで売っています。抱き合わせとは言うものの、ファーストアルバムの Feral は最高の曲です。ファーストのジャケットは最高ですが、背に腹変えられないロックバカも多いことでしょう。とっとと買って腰を振るべきと切に思います。
それではまた。日本に空前のゴリーズブームが訪れ、来日ツアーが実現することを祈念しつつ。